「マイホーム」と「賃貸」金銭的にどちらがお得?

家の検討を始めると、よく住宅営業さんからこのような営業トークをされることがあります。

「いま住んでいる家賃で家が建てられますよ。」
「賃貸にお金を払い続けるより、家を建てた方がお得ですよ。」

本当にマイホームを建てた方がお得なんでしょうか?

この記事では、本当に賃貸よりもマイホームを建てた方がお得なのか、住み続ける上でかかる費用を計算して比較していきます。

マイホームで必要な費用

取得費用

まずはマイホーム取得費用です。
これはマイホームを建てる上で必要な費用になります。

ここでの住宅取得費は土地の取得 + 中堅ハウスメーカーで建築するとして約4500万円としました。

土地取得費用 : 1500万円
住宅建築費用 : 3000万円
合計 : 4500万円

金利1.3%のフラット35を利用した場合

総返済額 : 約5600万円
毎月の返済額 : 約13万5千円

住宅ローン控除額(0.7% * 13年で計算): 約340万円

総取得費用 : 5600万円 – 340万円 = 5260万円

総返済額、住宅ローン控除額は楽天銀行の住宅ローンシュミレーターで計算しました。
利息で1100万円もあるのヤバいですよね😅

ランニングコスト

こちらはマイホームを維持する上で必要になってくる費用になります。
メンテナンス費用は30年目に大規模な修繕が必要になるハウスメーカーが多いようなので、300万円としています。

・固定資産税 : 10万円/年
 10万円 × 55年 = 550万円
・メンテナンス費用 : 10年おきに100万円、30年目は300万円
 100万円 × 4回 + 300万円 = 700万円

55年分のランニングコスト : 550万円 + 700万円 = 1200万円

マイホームの総費用

取得費用 : 5260万円 + ランニングコスト : 1200万円 = 6480万円

35歳から90歳までマイホームに住み続けた場合にかかる費用をシュミレーションしてみました。

いかがでしょうか?
私は計算してみて、ランニングコストが思いのほかかかるんだなという印象でした。

それではどちらがお得になるのか、ここから賃貸で必要な費用について計算していきます。

賃貸で必要な費用

だいぶ大雑把なシュミレーションですが子供が大きくなってきた40歳で少し広い部屋に住み替えて、独立してから老後は小さい家に住み替えする想定になっています。

また、家賃については地方都市を想定しています。
2年に1度更新費2か月分を考慮して、家賃は1年を13か月で計算しています。

35歳〜40歳 : 104万円 / 年 (8万円/月)
41歳〜60歳 : 156万円 / 年 (12万円/月)
61歳〜90歳 : 104万円 / 年(8万円/月)

104万円 × 5年 + 156万円 × 20年 + 104万円 × 30年 = 6760万円

賃貸にかかる費用として管理費などもありますが、家賃に含めて計算しています。

どちらがお得なの?

35歳から90歳まででかかる住居費を計算してみましたが、以下のような結果となりました。

  • マイホーム : 6480万円
  • 賃貸 : 6760万円

なんと賃貸の方が住居費が高い結果となりましたが、一概にはマイホームのほうがお得という結果にはなりませんでした。

まとめ

費用については人によって違ってくると思いますので、住宅営業さんの言葉を鵜呑みにせず、マイホームのランニングコストも含めて賃貸との違いを自分で計算してみることをお勧めします。

しかし、割高になったとしても、マイホームは満足度が高くなる可能性が高いです。

マイホームか賃貸かは金額だけで判断するのではなく、金額も含めたうえで総合的に検討するこことが大事ですね。

コメント

  1. シン より:

    賃貸では、引越し費用(老朽化もあるので何十年も同じ賃貸に住めるとは限らない)、退去時費用、入居時費用(敷金礼金補償金)、2年ごとの更新費用、駐車場代(必要時)、火災保険、など家賃以外にランニングコストが掛かってきます。
    住宅ローンは固定を選んでいるので上がる事はほぼ無いと思いますが、家賃はインフレにより値上げされていく可能性が高く、60年もあれば1.5〜2倍になっていてもおかしくはありません。利便性の悪い土地や古い賃貸を選び生活水準を下げるなら話は別ですが、若い頃と同水準の賃貸を8万で借りられる事はほぼ無いかと。(これは、持ち家であれば変動金利を選べば相対的に利息が安くなるが、インフレなど経済状況において金利も家賃も高くなるという観点から必要不可欠な試算です。)
    光熱費も相対的にはLEDやエコキュート、エコジョーズなど省エネ機器が少ない事やプロパンガスしかなかったりすると賃貸の方が割高になります。(持ち家は高気密高断熱により光熱費が安く抑えられる場合も多いので)
    それぞれ場合によるとしか言えませんが、持ち家のランニングコストを含めるなら賃貸費用としてはこれらのコストやインフレリスクも加味しないと的外れになるかと。

    • がっきー より:

      コメントありがとうございます。
      返信が遅くなってしまいすみません。
      ご指摘いただいたとおり、更新費用など賃貸のランニングコストについて抜けていました。もう一度賃貸のランニングコストなどについて再検討して記事を更新したいと思います。
      光熱費について、持ち家は高気密高断熱により省エネになることは間違いないのですが、賃貸のほうが光熱費が割安になる可能性(持ち家に比べて狭いことが多いこと、マンションの場合に断熱性能が高い可能性があることなど)もあるため、一概には比較できないので除外しています。